いざ相続申告!何から手を付ければ…
誰かがお亡くなりになると、お通夜、告別式、初七日、四十九日と慣れない儀式が目まぐるしく続きます。また、亡き人を思い、普段とは違う時間の流れを感じることと思います。
しかし、相続の申告と相続税の納付は、相続開始を知った日、つまりは被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヵ月以内におこなわなければなりません。
ここでは、相続税の申告から納付までを、順を追って解説していきます。
相続発生から納税まで相続手続きと申告の手順
① 死亡届の提出
死亡届は、被相続人が亡くなられてから7日以内に管轄の市町村役場へ医師の死亡診断書とともに提出します。
② 財産の把握
通常の財産だけでなく、借金や負債などの負の財産も含め、故人の財産の全体像を把握しなければなりません。正の財産よりも借金などの負の財産の方が大きい場合は、「相続放棄※1」または「限定承認※2」の手続きを行います。
ちなみに、葬儀費用や埋葬料などは遺産総額から相殺できますので、葬儀業者から領収書を発行してもらいましょう。
※1 相続放棄…一切の相続権を放棄すること
※2 限定承認…正の財産を超えない範囲で、負の財産を受け入れること
③ 遺言書の確認
遺言書がある場合は、原則として故人の意思を尊重し、遺言書どおりに遺産の指定分割を行います。
遺言書が公正証書遺言ではない場合は、家庭裁判所において「検認」が必要ですので、速やかに届け出なければなりません。
④ 相続人の確認
戸籍謄本で相続人の確認を行います。
被相続人と相続人の両方の戸籍を取り寄せる必要があります。
⑤ 遺産の評価
故人が所有していた遺産の評価を行います。
⑥ 遺産の分割
遺言書がある場合は、相続人全員に異議の有無を確認します。
遺言書がない場合は、相続人全員で協議を行い、遺産の分割協議を行います。分割協議では、相続人全員が合意した内容を遺産分割協議書にして残します。
⑦ 相続税の申告と納税
被相続人が亡くなった翌日から10ヵ月以内に、被相続人の住民登録のあった管轄税務署に申告と納税を行います。
⑧ 相続財産の名義変更
被相続人が所有していた預貯金や有価証券などの名義を、相続人に変更する手続きを行います。
土地や建物などの不動産は、相続登記の手続きを行います。
遺産整理
遺産の相続手続きには、申告や登記に関する資料作成や名義変更など、専門知識と時間、労力を要します。相続人だけで処理しようとすると大変な手間がかかる上に、高い税金が課税されるなどのデメリットが多くなります。
土地建物の相続登記なども、提携の司法書士と連携して全面的にサポートしますので、遺産整理でお困りの方は、ぜひ当事務所までご相談ください。
遺産整理の手続き
法定相続人の確定
被相続人の戸籍謄本から、法定相続人の確認を行います。
遺言書があれば、家庭裁判所で検認を受けます。
遺産の把握と財産目録の作成
被相続人の財産が正確に把握されていない場合、財産の調査を行います。
● 預貯金や借入金の残高照会
● 所有不動産の把握
● 株券などの有価証券、保険証券の確認
● 被相続人の自宅に所有している財産の把握
● ご自宅で所有している動産の把握
これらの基本的な確認作業の他、残された手がかりや専門的な方法を使って財産の全容調査を行い、財産目録にまとめます。
遺産分割
相続税が発生しないケースでも、遺産分割の手続きは必要です。また、不動産などの相続登記、預貯金の名義変更をする際には、遺産分割協議を行う必要があります。
相続人が2名以上存在し遺言で財産の分割方法が指定されている場合は、基本的に遺言に従って分割を行います。
遺言書に具体的な分割方法が記載されていない場合や遺言書自体がない場合は、相続人全員で協議を行い、具体的な分割方法を決定します。
各種財産の名義変更
被相続人の死亡に伴う手続きには、見落としがちな手続きや申請がたくさんあり、故人名義のまま残しておくと、後々トラブルの元になるものもあります。
手続きの中には、相続人が直接申請しなければならないものがありますのでご注意ください。
【名義変更が必要なもの】
● 土地、建物など不動産の相続登記
● 銀行口座・証券など
● 電気・ガス・水道・固定電話などの公共料金
【解約や返納が必要なもの】
● 携帯電話
● 運転免許証
【請求手続きが必要なもの】
● 葬祭費用・埋葬料
● 保険金・高額療養費
遺産相続:報酬・費用
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